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電離真空計のトラブルシューティング

使用上の注意点

  1. 感度は窒素で校正されているため、残留ガスの主成分が窒素以外であると、実際の圧力と違う 値を表示します。
  2. 酸素や水蒸気を含む気体の測定ではフィラメントが反応して劣化が激しいです。
    消耗を抑えるためにエミッション電流を下げて使うか、もしくは表面にトリアコートしたフィラメントなどを 使う必要があります。
  3. 10-4Pa台以下の圧力を測定する場合は、測定子自身の脱ガスが必要です。
    脱ガスをはじめると多量の放出ガスで圧力が高くなり、逆に測定子を汚してしまう場合もあります。 脱ガスは必ず10-4Pa台以下で行ってください。
  4. 圧力が高いところ(三極管形:10-1Pa以上)で連続使用すると、フィラメントの消耗が激しくなり、一定 のエミッション電流がとれなくなるので注意をします。

トラブルチェックリスト

1. 測定子のフィラメントが点灯しない
2. 測定子のフィラメントが異常発光する(通常より明るい)
3. フィラメントは点灯しているが、圧力を表示しない
4. フィラメントは一瞬点灯するが、すぐ消える
5. 指示値がふらつく
6. 予想圧力より指示値が大きく違う
7. セットポイント信号が出力されない

1. 測定子のフィラメントが点灯しない

原因 対処方法
フィラメントの断線 測定子の交換
測定子ケーブルの断線 測定子ケーブルの修理、交換
圧力が高いため ピラニ真空計などで圧力を確認
フィラメント選択スイッチの設定ミス 正しいフィラメントを選択

2. 測定子のフィラメントが異常発光する(通常より明るい)

原因 対処方法
測定子ケーブルの断線 測定子ケーブルの修理、交換
コントローラの故障 修理を依頼
測定子の劣化 測定子の交換

3. フィラメントは点灯しているが、圧力を表示しない

原因 対処方法
測定子ケーブルの断線 測定子ケーブルの修理、交換
コントローラの故障 修理を依頼

4. フィラメントは一瞬点灯するが、すぐ消える

原因 対処方法
測定している圧力が高いため保護回路が働く ピラニ真空計などで圧力を確認
コントローラの故障 修理を依頼

5. 指示値がふらつく

原因 対処方法
測定子または測定子が取り付けてある接続部の真空リーク 測定子の交換または接続部の真空リークの改善
測定子の汚れ 測定子の交換
測定子ケーブルが振動している 測定子ケーブルが常に振動を受けている場合、測定子ケーブル内部の摩擦起電力によって指示値がふら付く場合あり、ケーブルの設置方法を再検討

6. 予想圧力より指示値が大きく違う

原因 対処方法
漏れ電流が発生している 測定子の汚れ、測定子 ケーブルの絶縁不良のため交換
・感度係数の設定が違う
・測定している気体が窒素または空気(air)ではない
マニュアルを見て正しく設定
実際に圧力が予想と異なっている 他の真空計で確認

7. セットポイント信号が出力されない

原因 対処方法
コントローラ内リレーの交換 リレーの故障 → 修理を依頼
エミッション電流が正常に取れなくなりかかっている エミッションがNGになるとセットポイント信号の出力もキャンセルされる → 測定子の交換

エミッション電流が流れなくなる原因と対策

原因 対処方法
圧力が高い(10-1Pa以上) 排気系の確認
フィラメントの断線 測定子の交換
フィラメントの消耗 測定子の交換
測定子内部の汚れ 測定子の交換
測定子ケーブルの接触不良・断線 再接続または測定子ケーブルの交換
コントローラ内電源回路故障 修理を依頼

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